['10/12/30]茂山千之丞氏 ご逝去に寄せて |
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茂山千之丞氏の訃報に寄せて
2010年12月4日、大蔵流狂言方の茂山千之丞氏がご逝去されました。
突然の訃報に接し深く御冥福をお祈り申し上げますとともに、
響の会ならびに同人両名より、生前中の親しい御交誼に心より感謝申し上げます。
最近では「2007年 響の会 第32回研究公演」にて狂言『素袍落』をお願いいたしました。
戦後の能・狂言界の新たな道をリードしてきた大先輩である千之丞氏でしたが、
誰にも分け隔てなく接してくださり、私どもの舞台にも、いつも快くご出演をくださいました。
そしてその舞台は他の人のまねのできない豊かな人間性に満ちていました。
これからもまだまだそのお姿・笑顔に接したく思っておりましたし、また武智鉄二氏との演劇運動を始め、色々と伺いたいことたいことがたくさんありましたのに、大変に残念です。
あらためて心より御礼申し上げ、御霊の安らかにお眠りくださらんことをお祈り申し上げます。
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響の会 清水寛二・西村高夫
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['10/11/03]平成22年 第2回 響の会の集い 〜『道明寺』に寄せて〜 終了しました! |
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平成22年 第2回 響の会の集い 〜『道明寺』に寄せて〜 無事終了致しました。足を運んで下さったみなさま、本当にありがとうございます。
以下、当日の会場の様子を写真にてお伝えいたします。
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['10/10/03]【日本の美 -日本の伝統芸能に触れる-】ご報告 |
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平成22年9月23日(祝日)、新宿区立四谷図書館にて【日本の美 -日本の伝統芸能に触れる-】と題した能楽ワークショップが開催されました。
ワークショップの企画をして頂いた新宿区立四谷図書館、遠藤ひとみさんからのコメントと、響の会よりのご報告を掲載させて頂きます。
この度ワークショップを企画させていただきました、新宿区立四谷図書館の遠藤と申します。私自身、能鑑賞歴は約1年と"超"初心者なのですが、所作や立ち居振る舞い、ことばの美しさ、物語の奥深さに感動し、すっかりファンになってしまいました。今流行りのスピリチュアルスポット巡りではないですが、舞台にゆきますと、魂が浄化され、新たなエネルギーが満ちてくる気がして、時折の鑑賞を楽しみにしております。
さて、私がおります四谷図書館は新宿御苑の隣にございます。毎年、秋に開催される森の薪能にあわせてイベントをやりたいと強く切望しておりました。今回は「日本の美 ~伝統芸能に触れよう~」と題しまして、能舞台の写真パネル展・能楽ワークショップを企画しました。光栄にも響の会同人に能ワークショップの講師を務めていただくことになりました。
森の薪能を盛り上げたい、多くの方に能を愉しんでいただくきっかけとなればという思いで、企画段階から、同人に要望(わがまま?)をし、とても豪華な内容にしていただきました。ワークショップ当日は悪天候にも関わらず20名強のお客様が参加されました。みなさまとても熱心に聞き入っていらっしゃいました。装束を実際に身にまとっていただき、舞台に出る御姿になっていただいたのですが、私が一番驚いたのは、着付けもヘアメイクも演者同士で行い、専門の方がいらっしゃらないということです。会場もどよめいていました。最後の質問コーナーでも、積極的にご質問なさる方が多く、時間を大幅にオーバーし、(本当にありがとうございました。)盛会のうちに、会を終えることができました。
個人的な意見ですが、芸術・芸能鑑賞もスポーツと同じく、定期的かつ継続的に触れていかないと、愉しみが増してこないのではと思っております。知的好奇心が開花するようなワクワクするイベントを、これからも開催してゆけたらと願っております。
新宿区立四谷図書館 企画担当 遠藤ひとみ
平成22年9月23日(祝日)、新宿区立四谷図書館にて【日本の美 -日本の伝統芸能に触れる-】と題した能楽ワークショップが開催されました。
狂言から野村万蔵、能から響の会同人2名(清水寛二・西村高夫)が講師として参加し、
平成22年10月11日(月)に新宿御苑で行われる『新宿御苑森の薪能』で上演される演目の様々をご紹介しました。
能ワークショップでは、『紅葉狩』に纏わるお話をしました。
ワークショップにご参加いただいた皆様は、お能を頻繁にご覧になる方ばかりではなく、
初めて観る方もいらっしゃったため、『紅葉狩』の面白い見方をいろいろな角度から行いました。
まず、『紅葉狩』の内容を謡曲本文を読みながら追っていきます。
現代語訳ではなく、詞章そのものをみなさんにも読んでいただくことで、古文への壁をなくしつつ、内容をご紹介。
普通に詞章を音読したり、実際に節付きで謡ってみたり、いろいろな味わい方を体感していただきました。
薪能を上演する上での苦労話・裏話など、裏を知る能楽師ならではの話も、お客様に喜んでいただけました。
その後、実際に西村をモデルに装束附けを間近でご覧頂ました。
近くで見る面や装束に皆さん興味津々!
『紅葉狩』で用いるもの以外の面もごらん頂き、表情の違いもあわせて楽しんでいただきました。
せっかくですので、紅葉狩の一部分を装束付きで舞い(地謡は清水が担当)、
その後、後場の装束もつけて全体の雰囲気も味わっていただきました。
「重さはどれくらい?」「面はどれくらい見えないの?」「一番辛い格好はどれ?」などたくさんの質問が出されました。
「新宿御苑薪能当日がさらに楽しみになりました!」とおっしゃってくださったお客様も多くいらっしゃいました。
同人二名・スタッフ共々、照る照る坊主を作って楽しみにしています。
新宿区立四谷図書館
新宿御苑森の薪能 |
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['10/09/29]若松健史さん ご逝去に寄せて |
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銕仙会の若松健史さんが9月20日午前2時56分 、出血性心不全のため亡くなりました。75才でした。
葬儀は南多摩斎場にて9月27日10時より執り行われました(喪主は奥様の若松道子さん)。
響の会では第6回研究公演での「隅田川」・第21回研究公演での「鉢木」のシテを舞っていただきました。
また第34回研究公演では乱曲「近江八景」を謡っていただき、第35回研究公演「玉鬘」の地頭など、
発足から毎回のようにご出演頂いてまいりました。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。 |
(響の会一同)
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若松さんは 同人二人にとりまして、入門より陰になり日向になり励まし育てて頂いた大先輩でした。
私達の舞台については、「もっと膝を柔らかく」とか「もっとお腹から」とかおっしゃるくらいでしたが、
ご自身の舞台姿や謡で、おっしゃりたいことをよく私達に示していただきました。
シテでも後見でも地謡でも、どっと腰が据わっていらっしゃるのです。
動脈瘤があって医者に止められているとのことで、しばらく能は舞っていらっしゃらなかったのですが、
「前だけやってみるから」と8月に鹿児島入来の薪能で「巴」の前シテをお舞になり、
その後シテを清水が、地頭を西村が勤めさせていただきました。
また最後の舞台となった安藤貴康君の独立披露能の折の仕舞「邯鄲」の地謡も二人で謡わせていただきました。
素晴らしい気迫とキレで、地謡の私たちも引き込まれ、忘れられない舞台となりました。
能の持つ不可思議な力強さを体現していた若松さんと、もう同じ舞台に立てないと思うと本当に残念です。
どうぞこれからも私達をしっかり見守っていて下さい。
若松さん、今までありがとうございました。
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清水寛二・西村高夫
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['10/09/15]表章先生 ご逝去に寄せて |
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法政大名誉教授の表章(おもて・あきら)先生が9月7日脳出血のため亡くなられました。
響の会では05年の第二回響の会の集い(国立能楽堂大講義室)にて、「能楽研究の半世紀」と題して講演をしていただいたほか、折々には客席にも足を運んでいただきました。
先生の能楽史研究の成果、研究に対する真摯なご姿勢、そしてその元気なお声にずいぶん刺激されました。
また、もはや古典的名著となっている岩波書店の「世阿弥・禅竹集」には伝書を読む会で大変お世話になりました。
この9月15日には日本学士院賞・恩賜賞受賞のお祝いの会が開かれるところの急逝でした。
先生のご冥福をお祈りいたします。
表章氏
1927年生まれ 83歳。北海道稚内市出身。1951年、東京文理科大学卒業。
葬儀は9月12日中野宝仙寺にて執り行われた。喪主長男表きよし氏(国士舘大学教授)。
法政大能楽研究所員として能楽関係の資料の収集・保存に努め、同大教授、研究所長を歴任。能楽史の研究に大きな足跡を残した。
「喜多流の成立と展開」で1995年に角川源義賞。今年、恩賜賞・日本学士院賞を受賞。
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['10/09/06]【お知らせ】雑誌掲載のお知らせ |
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月刊「機」2010.8『多田富雄の新作能「戦争三部作」』(株式会社藤原書店発行)に、
清水寛二の寄稿『「戦争三部作」にかかわって』が掲載されております。
また、同書店出版の季刊「環」 vol.42[特集:多田富雄の世界]の
「多田富雄さんを偲ぶ」に 清水寛二の追悼文が掲載されております。
どうぞご覧ください。
〔詳細〕
月刊「機」 8月号
季刊「環」 vol.42 |
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['10/06/28]伝統文化「能」を学び、体験してみませんか? 座間市夏休み子ども能教室 |
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この夏、座間市謡曲連盟の主催で、能の体験教室が行われます。
7月22日から10回稽古して8月25日に座間市民文化会館ハーモニーホール小ホールで能〈土蜘蛛〉その他を発表します。
夏の思い出に、伝統文化体験したい小学生、中学生、集まれ!!(男女問わず)
響の会同人、清水寛二が親切に一から教えます。
25名募集します。すべて無料です。締め切りは7月10日です。
・お申込み方法
学校名・学年・氏名・電話番号を記入して、
下記へFAXで申し込んでください。
046-251-4060(工藤)
お問い合わせ:046-251-4060(工藤 午前10時半まで)』
・稽古日程 7月22日 25日 29日 (10:00〜12:00)
8月2日 (13:00〜15:00)
8月5日 12日 19日 23日(10:00〜12:00)
8月24日(合同練習14:00から)
8月25日(リハーサル10:00〜12:00 発表会本番14:00から)
*上記に関係してタウンニュース座間版6月18日号の「人物風土記」に清水寛二のインタビュー記事「能はだれでも楽しめます」が掲載されています。 |
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['10/05/07]第21回響の会 公演終了! |
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平成22年5月1日、宝生能楽堂で行われた第21回響の会<実盛><松風>は大盛況の内に幕を閉じました。ご来場頂いた皆様、また、応援して下さった皆様、本当にありがとうございました。
以下、同人のコメントです。
『お客様一人一人の影の両の眼がじっとこちらをご覧になっていて、見所の圧力がものすごく、今考えれば、それが遊行上人の念仏に集まった人たちの目のようにも思えていたようです。
この何年もかかって試みてきた、声の響かせどころを変えることや足の裏でその人物としてしっかり立つということの手ごたえはつかんだ感じがします。
「老体」の演技はなかなかまだまだですが、これからも続けて挑戦していきたいと思います。ありがとうございました。』
清水寛二
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['10/04/23]山本則直氏の訃報に寄せて |
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4月23日、狂言方大蔵流の山本則直氏が71歳でご逝去されました。深く御冥福をお祈り申し上げますとともに、響の会ならびに同人両名より、ご生前中の温かい御指導・御鞭撻に心より感謝申し上げます。
第一回響の会〈道成寺〉アイをはじめ、
02年7月第13回響の会 狂言〈悪坊〉のシテ
07年5月第31回研究公演 狂言〈千鳥〉のシテなど、
たくさんのご出演をいただきました。
豪直球ともいうべき演技は、痛快でかつ繊細でもありました。
御一緒した海外公演でのエピソードなども思い出されます。
あらためて御冥福をお祈り申し上げます。
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響の会 清水寛二・西村高夫 |
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['10/04/21]多田富雄氏の訃報に寄せて |
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4月21日、国際的な免疫学者でありながら能楽にも深く関わり、様々なテーマの新作能も発表されてきた多田富雄氏がご逝去されました。突然の訃報に接し深く御冥福をお祈り申し上げますとともに、響の会ならびに同人両名より、ご生前中の温かい御指導・御鞭撻に心より感謝申し上げます。
同人の清水・西村が「一石仙人」「長崎の聖母」「横浜三時空」「沖縄残月記」などの、多田先生の新作能の作曲・演出・シテ・地謡に関わらせて頂きました。今年も8月8日に長崎公会堂にて「長崎の聖母」が上演予定です。
あらためて心より御礼申し上げ、御霊の安らかにお眠りくださらんことをお祈り申し上げます。
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響の会 清水寛二・西村高夫 |
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['10/03/29]響の会の集い ご参加御礼・終了報告 |
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22年3月27日(土)、銕仙会4Fにて平成22年第一回響の会の集いが行われました。
第一部 曲目研究会
小田幸子氏のわかりやすいレジュメにしたがって、「実盛」・「松風」の作品としての出来上がり方や内容について、色々な角度から見ていきました。
同人や参加者の皆さんからも質問や意見が出て、新たな視点もあり、当日に向けて楽しい一歩でした。
なお、小田先生には当日パンフレットに両作品についてなにか文章をお願いできることになりました。
第二部 桜の集い
残念ながら寒い日が続き、青山墓地の桜もまだのようでしたので、曲目研究会に引き続いて、桜の花の模様の装束(唐織2枚・縫箔3枚)を周りにかけて、銕仙会の4階板の間にていたしました。
初めての方も積極的にお話しいただき、「実盛」・「松風」の世界について、また「能」の面白さ、あるいは能を取り巻く様々な状況について、和やかに語り合い、まことに「春宵一刻値千金」といった時間を過ごしました。
参加者の皆様と直接お話することができたこと、同人・スタッフともども、とても嬉しく思っています。ありがとうございました。
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['10/03/27]表章氏 日本学士院賞・恩賜賞受賞
北村治氏 早稲田大学芸術功労賞受賞 |
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表章氏 2010年度日本学士院賞・恩賜賞
1927年生まれ 法政大学名誉教授(元法政大学能楽研究所所長)
響の会では
05年の第二回響の会の集いにて、「能楽研究の半世紀」と題して講演をしていただきました。(05.9.18 国立能楽堂大講義室)
北村治氏 2009年度早稲田大学芸術功労賞
1936年生まれ 大倉流小鼓方 重要無形文化財各個指定(人間国宝) 早稲田大学第一文学部仏文科卒業
響の会では
第8回研究公演(99.4.2 銕仙会能楽研修所) 西行桜(シテ8世観世銕之丞)などに御出演いただきました。
響の会より、心よりお祝い申し上げます。
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['10/03/24]西村高夫ブログ開設のお知らせ |
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響の会同人、西村高夫がブログ『写々丸日記』を開設いたしました。
幾分変わった視点から撮られた写真を、日々西村高夫自身がリアルタイムに更新していきます。
ぜひ一度ご覧ください。
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