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曲名: |
弱法師《よろぼし》 |
作者: |
観世元雅 |
季節: |
春(旧暦2月) |
場所: |
摂津・四天王寺 |
分類: |
四番目物・一場 |
上演時間: |
約1時間10分 |
上演データ: |
響の会
第2回研究公演・1部
1996年5月17日(金)
銕仙会能楽研修所
シテ・観世榮夫
第9回 響の会
1999年6月26日(土)
宝生能楽堂
シテ・西村高夫
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清水寛二〔撮影:吉越 研〕 |
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●あらすじ |
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文・清水寛二/西村高夫 |
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河内高安の里の左衛門尉通俊は人の中傷を信じ我が子俊徳丸を追放した。しかし今はそれを悔やみ罪滅ぼしの為に七日に及ぶ施行を天王寺で行う。
折しも彼岸の中日、今や盲目の乞食となって流浪し、弱法師と呼ばれている俊徳丸は貴賎群集する天王寺に現れ、知らぬまま父の施行を受ける。弱法師は仏法を讃え、天王寺の由来を詳しく物語る。
やがて日想観の時、日輪の沈む西方極楽浄土の方角を拝み心を澄ます俊徳丸の心眼には難波の浦の美しい風景が鮮やかに浮かび、思わず立ち歩めば、盲目の悲しさ、行き交う人に突き当たり、転び伏す。この弱法師が我が子だと気づき様子を見ていた父は、夜更けに名乗り、高安へと伴い帰った。
作者観世元雅は、父世阿弥とは違った新たな内面の劇を切り拓いた。群集の中にあって詩心に身をゆだねる青年の内面の孤独は、父と子の再会によって癒されるにはあまりにも深い。
〔'96/5/17 第2回研究公演 パンフレット掲載〕 |
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