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曲名: |
雲林院《うんりんいん》 |
作者: |
世阿弥(一説) |
季節: |
春・旧暦2月 |
場所: |
京都・紫野雲林院 |
分類: |
三(四)番目物・二場 |
上演時間: |
約1時間40分 |
上演データ: |
響の会
第22回研究公演
2004年4月2日(金)
銕仙会能楽研修所
シテ・西村高夫
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西村高夫〔撮影:吉越 研〕 |
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●あらすじ |
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文・長谷部好彦(響の会通信編集委員) |
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幼い頃より『伊勢物語』を愛読していた公光はある夢に引かれ芦屋から都雲林院へ向う。雲林院は花の春。思わず桜の枝を手折る公光。するとそこへ一人の老人が現れる。見ぬ人のため花を手折る公光と、咲き誇る花を惜しむ老人。花心ある二人は問答を始める。
やがて公光は不思議な夢について語り始める。その夢では、とある桜の下、高貴な男と女とが『伊勢物語』の草子を持ってたたずんでいた。それは他ならぬ在原業平と二条の后、所は都雲林院だったという。夢はそこで覚めた。公光はその夢にいざなわれるように、ここまで来てしまったのだ。すると老人が言う。『伊勢物語』の秘伝が得られるであろう、見残した夢の続きを見よ、と。そして老人は消えていった。
夜、木陰にふす公光。その夢の中に、業平が現れる。そして『伊勢物語』に秘められた二条の后との恋路を物語る。昔を思いつつ舞の袖を返す業平。やがて舞楽も終り、公光の夢も覚めるのだった…。
世阿弥自筆本では後半部がまったく異なり、業平にさらわれた二条の后をその兄藤原基経が鬼となって探しに来るというすさまじい能でした。
いつの世にか大幅な改作が行われ、業平の優美な舞となったのですが、「満開の花の下には…」ということがあるのかもしれません。
〔'04/4/2 第22回研究公演 パンフレット掲載〕 |
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