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曲名: |
小塩《おじお》 |
作者: |
金春禅竹(一説) |
季節: |
春(旧暦3月) |
場所: |
山城・大原山 |
分類: |
四番目物(三番目物)・二場 |
上演時間: |
約1時間45分 |
上演データ: |
響の会
第11回研究公演・第2部
2000年3月18日(土)
銕仙会能楽研修所
シテ・観世暁夫(現 銕之丞)
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●あらすじ |
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文・清水寛二/西村高夫 |
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大原野は満開の花ざかり。花見人の前に桜の枝をかざした老人が現れた。老人の華やいだ姿に花見人は声をかける。二人は桜花はともに愛で、そのあまりの美しさに老人は「大原や小塩の山も今日こそは神代のことも思い出づらめ」と言う。花見人がその歌の作者を問うと、二条の后がこの大原野に行幸されたとき、在原業平が后との昔の契を想い詠んだ歌だと答える。老人は昔男と呼ばれた業平の話につけ、昔のことが偲ばれると嘆き悲しみ、花見車のかげに消え失せた。<中入>
花見人はさき程の老人が業平の霊だと知り、御経を読誦して奇特を待つ。
花見車に乗って貴人姿の業平が現れた。自らの和歌を続けざまに詠じ、多くの女性たちとの契りを想い起こし、とりわけ二条の后に供奉してこの大原野に来た昔を偲び、舞を舞う。月も春も今は昔となったが、二条の后の御幸のことはいつまでも忘れられないと嘆きつつ、春の夜が白むとともに消え失せた。
儚く散る桜と、『伊勢物語』六九段の斎宮と業平の「君や来し我や行きけんおもほえず夢か現か寝てか覚めてか」、「かきくらす心の闇にまどひにき夢うつつとは世人定めよ」という贈答歌とが混然となった夢幻能の世界。
〔'00/3/18 第11回研究公演 パンフレット掲載〕 |
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