響の会〔清水寛二・西村高夫〕
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野宮
曲名: 野宮《ののみや》
作者: 世阿弥(一説)
季節: 秋(旧暦9月)
場所: 山城・嵯峨
分類: 三番目物・二場
上演時間: 約1時間30分
上演データ: 第18回 響の会
2007年9月22日(土)
宝生能楽堂
シテ・清水寛二
養老
シテ・清水寛二〔撮影:高橋 健〕
養老
野宮神社〔撮影:響の会〕
●あらすじ
文・長谷部好彦(響の会通信編集委員)
「遥けき野宮に分け入り給ふ御心、いとものあはれなりけりや」
 京・嵯峨野。淋しい秋の暮れ。
 斎宮(さいぐう/伊勢神宮に仕える皇女)となる娘に従って六条御息所が引きこもった野宮。光源氏が禁秘を破ってこの野宮に忍んで来たのは今日、長月七日のことだった。その旧跡に足を踏み入れた僧は、一人の女の咎(とが)めを受ける。女は、この日が廻る度に、宮を清め神事をなすのだと言う。
 やがて月光の下、網代車(あじろぐるま)に乗りて現れた御息所は、葵上との車争いの様を現わし、野宮での源氏との夜を偲び、懐旧の舞を舞う…。
 すべてが収束に向かう秋。御息所の女としての一生、その源氏への思慕の豊かさと儚さが、高度の文辞で織り込まれた傑作。
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