響の会〔清水寛二・西村高夫〕
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錦木
曲名: 錦木《にしきぎ》
作者: 世阿弥
季節: 夏(旧暦6月)
場所: 陸奥・狭布の里
分類: 四番目物・二場
上演時間: 約1時間35分
上演データ: 響の会 第1回研究公演・2部
1995年9月22日(金)
銕仙会能楽研修所
シテ・清水寛二/ツレ・西村高夫
 
●あらすじ
文・清水寛二/西村高夫
 諸国一見の僧が東国を見ようと陸奥の果ての狭布の里に着いた。
 僧の前に細布を持った女と、錦木を持った男が現れ、この地に名高い錦木のいわれを物語る。男は恋する女の家の門に美しく飾った錦木を作って立てる。もし女が男に心を寄せれば錦木を内に取り入れ、逢いたくない男のものはそのままにしておくという。この山蔭の錦塚は三年の間、千束もの錦木を空しく立て続けて死んだ男の墓であるという。男女は、その塚の前に僧を案内し、「錦塚はこれぞ」と言い捨てて消え失せてしまった。〈中入〉
 僧は供養のために御経を読誦して通夜をする。
 男が怨霊の姿となって現れた。男は錦木を持って女の家を訪ねる。家の内では女は機を織り、男はその門を叩く。内からは何の答えもない。ただ機の音と虫の音が聞こえるばかり。日毎、夜毎、男が訪ねるうちに三年も過ぎ、錦木は空しく積もり朽ち果ててしまった。
 しかし今は会うことがかなったと男は喜びの舞を舞い、朝まだき、自らの身を恥じるように消え失せた。

〔'95/9/22 第1回研究公演 パンフレット掲載〕
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