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曲名: |
盛久《もりひさ》 |
作者: |
観世元雅 |
季節: |
春・旧暦3月 |
場所: |
相模・鎌倉 |
分類: |
四番目物・一場 |
上演時間: |
約1時間15分 |
上演データ: |
第10回
響の会
2000年7月1日(土)
宝生能楽堂
シテ・清水寛二
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清水寛二〔撮影:森田拾史郎〕 |
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●あらすじ |
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文・清水寛二/西村高夫 |
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平家重代の侍主判官盛久は、今は捕われの身であり、鎌倉の頼朝のもとに護送されていく。その道中、警固の侍土屋三郎に、日頃信心篤い清水の観世音に名残りに立ち寄りたいと願う。観世音に最後の祈りを捧げた盛久は東へと下っていく。
鎌倉に着いた盛久は早く斬られたいと願っている。折りしも明朝処刑の知らせ、盛久は観音経を読誦し、少しまどろむと夢を見た。
盛久は刑場由比ケ浜にひかれ、清水の方を向き、観音の御名を唱える。刀を振り上げた太刀取りの目を御経の発する光がふさぎ、刀は落ちて折れてしまった。
事の次第を聞いた頼朝は盛久を呼び寄せる。盛久は夢中の老僧が日頃の信心篤きを愛で「われ汝が命に代わるべし」と言ったと物語ると、頼朝も同じ夢を見たと驚き、盛久の命を助ける。
盛久は喜びのうちに舞を舞い故里へと帰る。
人間が処刑を目前にして得た信仰心による心の平安、諦観、さらに奇蹟がおきるまでの人間の極限状態を描ききった、元雅ならではの作品。
〔'00/7/1 第10回 響の会 パンフレット掲載〕 |
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